【実家の片付け】物が多い親との、上手な断捨離コミュニケーション術

- 「実家が物であふれていて、困っている…」
- 「親が物を捨ててくれなくて、片付かない….」
- 「親との関係を悪化させずに、実家を片付けたい….」
そんな悩みを抱えていませんか?
私も、両親と同居となり、家の片付けで、何度も衝突してきました。
「もったいない」「まだ使える」「いつか使うかも」
そう言って、なかなか物を手放せない親の気持ちも、よく分かります。

でも、床に物があると、転倒リスクが高いし…。
もっとスッキリした空間で、気持ちよく暮らしたい…。
そう悩んできました。
実家の片付けをスムーズに進めるためには、親の気持ちに寄り添ったコミュニケーションが何よりも大切です。
この記事では、
- なぜ高齢の親は物を捨てられないのか?
- どんな声掛け、コミュニケーションを取ればいいのか?
- 実家の片付け、いつ始めるのがベスト?
など、実家の片付けに関する疑問や悩みを解決するためのヒントを、
作業療法士、ミニマリストとしての視点、実践を通して学んだことを交えながら、
具体的にお伝えします。
一緒に、親との思い出を大切にしながら、安全・快適な暮らしを実現しましょう!
高齢の親が物を捨てられない5つの理由

ここでは、高齢者ならではの、物が捨てられない理由を5つ解説します。
物を大切にする価値観
親の世代は、物不足の時代を経験しているため、「もったいない」「物を大切にする」という価値観が強く根付いています。
そのため、まだ使えるもの、いつか使うかも知れないものを、なかなか捨てることができません。
過去へのこだわり
物は、思い出や記憶と結びついていることがあります。
特に、高齢になると、「あの頃は良かった」と過去を振り返ることが増え、思い出の品を手放すことに抵抗を感じるようになります。
老化の影響
加齢に伴い、認知機能が低下し、判断力が衰えることがあります。
そのため、「必要」「不要」の判断が難しくなり、物が捨てられなくなることがあります。
また、気力体力が低下し、片付けたい気持ちがあっても、行動に移せない場合も。
孤独感、物を失うことへの恐怖
高齢になると、配偶者や友人との別れ、自分の衰えの自覚、社会的つながりの減少など、様々な「喪失」を経験します。
そのため、失うことへの恐怖心が強くなることがあります。
物を手元に置いておくことで、安心感を得ようとする心理が働くことも。
コレクター気質
若い頃から「買い物が好き」「物を集めるのが好き」だった場合、高齢になるとさらにその傾向が強くなることがあります。

「ためこみ症」と呼ばれる、病的な状態になっている人も。心配な場合は、一度医療機関にご相談を!
親との断捨離を成功させる!コミュニケーションのコツ5選

親の気持ちに寄り添う
「もったいない」「まだ使える」という言葉の裏には、思い出への執着や物を失う不安があるかもしれません。
まずは親の気持ちを理解し、共感を示しましょう。
親の意見を尊重し、一緒に決める
頭ごなしに捨てることを強制せず、「これはどうしたい?」と親の意思を確認し、一緒に判断しましょう。
親自身が決めることで、納得して手放しやすくなります。
この時、「部屋が綺麗になると、安全に暮らせる」など、片付けの理由を説明するのも◎。
親のペースを尊重する
片付けは、親の体力や気力に合わせて、少しずつ進めるのがポイントです。
焦らず、急かさず、無理のない範囲で、親のペースを尊重しましょう。
感謝の気持ちを伝える
「今まで大切に使ってきたんだね」「思い出を取っておいてくれて、ありがとう」など、感謝の言葉を伝えましょう。
ポジティブな言葉で伝える
少しでも片付けが進んだら、「きれいになったね!」「スッキリしたね!」と、ポジティブな言葉を伝えましょう。
親のモチベーションアップにつながります。
親のタイプ別!上手な対処法
物が多い、片付けが進まない、親への対処法は、親のタイプによって異なります。
ここでは、親のタイプを3つに分類し、それぞれの具体的な声掛け、行動を提案します。
物を増やすタイプ

新しいものをどんどん買ってくる、人からの貰い物を断れない、
など、とにかく物を増やしてしまうタイプの親御さんには、
- 買い物の上限額・回数を決める
「毎月〇〇円まで」「週に〇回まで」など、具体的な金額や回数を決める。
親の性格や状況に合わせて、無理のない範囲で設定する。
最初は緩めのルールから始め、徐々に調整していくと◎。 - 日用品は一緒に管理をする
トイレットペーパーや洗剤など、安いとつい買ってしまい、家の中にストックがたくさん…という場合は、
「重たいものは私が持つから、一緒に買いに行こう」などと、親の負担を軽減するような声かけをすると、受け入れてもらいやすい。
ネットスーパーで、定期購入すると決めてしまうのも◎。 - 親の買い物に付き添う
事前に買うものをリストアップしてもらい、それ以外のものは買わないように促す。
可能であれば、親の買い物に付き添い、「これは、似たものを持っているから、今回はやめておこう」など、具体的にアドバイスをすると、親も納得しやすくなります。

ルールを厳格にしすぎると、お互いストレスに。
完璧を求めず、長い目でみて部屋が片付けばOKです。
物を捨てないタイプ

まだ使える、いつかつかうかもしれない、もったいない、といって、物を捨てられないタイプの親御さんには、
- 無理強いしない
壊れている物であっても、頭ごなしに「捨てて」と言うのではなく、親の気持ちに寄り添い、共感の姿勢を示す。
親のペースに合わせて、少しずつ片付けを進める。焦らず、急かさず、でも着実に! - 一緒に作業する
一緒に片付けながら、思い出を語り合う。
昔の写真が出てきたら、厳選してフォトブックやデジタル化するなど、思い出を形に残す提案をしてみるのも◎。 - プレゼントはモノより思い出を贈る
誕生日や記念日などのプレゼントは、モノではなく、旅行や食事などの「体験型ギフト」がおすすめ。
一緒に過ごす時間は、かけがえのない思い出になります。
また、思い出を形に残す「フォトブック」や「ビデオレター」なども喜ばれるでしょう。
物を増やす&捨てないタイプ
上記の合わせ技で対応しましょう。
まずは、物を増やさない工夫から始めるのがおすすめです。

離れて住んでいる、体力的・時間的にも、片付けが難しい。
そういう場合は、外部のサービスを検討してみましょう!
実家の片付け、いつ始める?おすすめのタイミング
では、実際実家の片付けは、いつ始めるのがいいのでしょうか?
おすすめのタイミングは以下の5つです。
年末年始、お盆休みなどの長期休暇

家族が集まる機会を利用して、一緒に片付けをする。
せっかくなので、自分以外の家族の意向も確認しておきましょう。
親の体調がいい時
親の体調や気分がいい時に、片付けの話を持ちかけると、スムーズに進みやすいです。
身近で片付けをした人の成功体験など、ポジティブな話題があると、なお◎。
親が片付けに意欲的な時
親が「そろそろ片付けたい」と言い出した時や、片付けに興味を示したときは、絶好のチャンスです。
「私も、手伝うよ」と、相手を気遣い、話を進めましょう。
親の入院、施設入居

「退院してきた時に、暮らしやすいように」と、前向きな話をすると受け入れやすいです。
くれぐれも、勝手に処分して、後で揉めないように….。
実家のリフォーム、引っ越し
リフォームや引っ越しは、物を整理する良い機会です。
期限が決まっているので、先延ばしにできない点も◎。

私の場合も、リフォームのタイミングで行いました。
少しでも片付けが進んだら、とにかく感謝の気持ちを伝えました!
【体験談】物を捨てない父、説得のヒント
物を捨てられない父。
「もったいない」「まだ使える」が口癖で、押入れは不用品でいっぱい…。
数年前のリフォームが、実家を片付ける絶好の機会となりました。
狭い家なので、収納は増やさず、居住スペースを広げることに。
そこで、父には「廊下に新しく作るロッカーに入るだけにして」と約束してもらいました。
しかし、いざ物を整理し始めると、レコード、服、工具、本…
カビているものまで、「まだ使える」と手放そうとしません。
そこで、作戦変更。
「捨てる」のではなく、「誰かに使ってもらう」方向で説得を試みました。
- 「お父さん、この工具、欲しい人がいるんだけど、あげてもいい?」
- 「この服、更衣動作の練習に使えそうだから、もらってもいい?」
すると、意外なことに、父はあっさりOK。
「誰かが有効に使ってくれるなら」と、たくさんの物を譲ってくれました。
ただし、メルカリなどで売るのはNG。
自分が大切にしていたものが、知らない人に売られるのは寂しかったようです。

この経験から、親の性格に合わせた声かけ、アプローチの大切さを痛感しました。
【まとめ】親の気持ちに寄り添い、安全・快適な暮らしを
今回は、「物が多い親」の実家の片付けをテーマに、さまざまな角度から解決のヒントをご紹介してきました。
高齢の親が物を捨てられない、主な理由は以下の5つです。
- 物を大切にする価値観
- 過去へのこだわり
- 老化の影響
- 孤独感、物を失うことへの恐怖
- コレクター気質
そして、実家の片付けをスムーズに進めるためには、親の気持ちに寄り添ったコミュニケーションが何よりも大切です。
私が実家の片付けを通して気づいた、コミュニケーションのポイントは以下の5つです。
- 親の気持ちに寄り添う
- 親の意見を尊重し、一緒に決める
- 親のペースを尊重する
- 感謝の気持ちを伝える
- ポジティブな言葉で伝える
これらのポイントを押さえ、親の性格や価値観に合わせた声掛けを心がけ、
親との思い出を大切にしながら、安全・快適な暮らしを実現しましょう!