【40代から始める】終活の手順とエンディングノートの書き方

「終活」は、単に人生の終わりのためではなく、未来への前向きな準備です。
40代は、自分の老後や健康問題に向き合い始める時期。
もしもの時に備えて今から準備しておけば、残された家族の負担を減らすだけでなく、自分自身の将来への不安も軽減できます。
例えば、
- エンディングノートに介護の希望を書くことで、家族が迷わず対応できる。
- 不要な物を整理しておけば、家族が遺品整理で悩まずに済む。
- 残された家族に迷惑をかけてしまうのでは、という不安を解消できる。
「まだ早い」と思わず、40代の今から終活を始めることで、これからの人生をより心地よく歩めるでしょう。
この記事では、40代から終活を始める理由と、具体的な手順やエンディングノートの活用法について詳しく解説します。
40代から終活をはじめる理由
40代は人生の折り返し地点。
「まだ先は長い」と感じるかもしれませんが、実は終活を始めるのに最適なタイミングです。
ここでは、40代から終活をはじめる理由を3つ解説します。
人生設計を見直すきっかけ

厚生労働省の発表(2022年)によると、日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳。
つまり、40歳は男女ともに人生の折り返し地点と言えます。
ここからゴールを逆算すると、より今の時間を大切にできるはずです。
そして、やり残したことや、これからやってみたいことに気づくかもしれません。
一度立ち止まり、第二の人生の過ごし方をじっくりと考えてみませんか?

終活は、ネガティブなことではなく、人生を前向きに見つめ直すきっかけを与えてくれるものなのです。
出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001363069.pdf)
老後の不安を軽減できる

終活は、将来の不安を「見える化」し、具体的な行動へとつなげるための強力なツールです。
40代から終活を始めることで、自分に合った納得のいく対策を選べるようになります。
例えば、
- お金のこと: 預貯金、不動産、株式などの資産をリストアップし、相続についても検討しておく。
- 介護のこと: 介護が必要になった場合の費用、希望の施設、サービスなど。
- 医療のこと: 延命治療や臓器提供など、自分の希望を残しておく。
- 葬儀やお墓のこと: 葬儀の形式や費用、お墓の場所などを決めておく。
これらを準備しておくことで、「もしも」の時に、家族や周囲に負担をかけることなく、スムーズに対応できるようになります。
身辺整理は体力・判断力が必要

終活の中でも、重要なのが「身辺整理」です。
不用品の処分、思い出の品やデジタルデータの整理など、やるべきことは多岐にわたります。
そして、これらの作業には、体力、気力、そして判断力が欠かせません。
年齢を重ねるとともに、身体機能や認知機能は徐々に低下していきます。
40代は体力・気力・判断力が充実している時期。
身辺整理を始めるには、まさにベストなタイミングです。
さらに、身辺整理は残された家族の負担を大きく軽減します。
もしあなたが突然亡くなったら、残された家族は悲しみの中で、
- 物が多すぎて、どこに何があるのかわからない…
- 葬儀や埋葬について、故人の想いがわからず、どうすればいいのか迷う…
- 銀行口座やパスワードがわからず、手続きが進められない…
といった状況に陥る可能性があります。
あなたが時間と体力、そして判断力があるうちに身の回りのものを整理しておけば、家族はどれほど助かるでしょうか。
身辺整理は、残された家族への愛情表現でもあるのです。
40代の終活でやるべき3つのこと
40代からの終活は、将来の安心だけでなく、今の生活をより豊かにするための大切なステップです。
ここでは、具体的に取り組むべきことを3つご紹介します。
エンディングノートを書く

エンディングノートは、自分の情報、財産、医療、介護、葬儀などに関する希望を書き記すノートです。
法的効力はありませんが、
- 自分の考えを整理できる
- 家族に意思を伝えられる
- 万が一の時に、家族が迷わず手続きを進められる
というメリットがあります。
エンディングノートに書く内容は、次の章でご紹介します。
資産の把握と整理

まずは、現在の資産を漏れなく把握しましょう。
使っていない銀行口座・カードは解約してシンプルに。
預貯金、不動産、株などをリストにまとめ、相続対策も検討しておくと安心です。
ねんきん定期便やねんきんネットで年金記録を確認し、不要な保険の見直しも忘れずに行いましょう。
身辺整理・断捨離

物もデータも整理して、安全で快適な生活空間を作りましょう。
- 不用品の処分: リサイクルショップやフリマアプリを活用して、必要ない物は手放しましょう。
- デジタルデータの整理: PCやスマホのデータを見直し、不要なものは削除。重要なデータはバックアップしておくと安心です。
- 思い出の品の整理: 写真や手紙などはデジタル化を考えるのも良いでしょう。
- SNSアカウント・サブスクの整理: 使っていないアカウントは削除し、サブスクリプションも不要なものは解約する。
40代の終活でエンディングノートに書くべき内容
エンディングノートは、あなたの「もしも」の時に備え、家族に伝えたいこと、残しておきたい情報をまとめる大切なノートです。
エンディングノートは遺言書と違い、法的な効力はありません。
その分、厳密なルールはなく、気軽に何度でも書き直すことができます。
それでも、「何を書けばいいのか分からない…」と感じる方も多いかもしれません。
ここでは、40代の終活で、エンディングノートに最低限書いておきたい内容を、ご紹介します。
基本情報
- 名前、生年月日、血液型、マイナンバー
- 本籍地、住所、勤務先、連絡先
- 緊急時の連絡先(親族・友人・知人)
お金のこと
- 預貯金の銀行名・口座番号
- 不動産の所在地、登記情報
- 株式・投資信託・保険の詳細
- 負債(ローン・借入金)の有無
- 貴重品の保管場所
医療・介護のこと
- 延命治療の希望(する・しない)
- 緩和ケアの希望
- 介護が必要になった場合の希望(自宅・施設など)
- 認知症になった場合の対応(後見人の指定など)
葬儀・お墓のこと
- 葬儀の規模・形式(家族葬・一般葬・直葬など)
- 誰に連絡してほしいか
- お墓の場所、納骨の希望(樹木葬・散骨など)
- 遺影写真の選定
デジタル遺産
- SNSアカウント(Facebook、X、Instagramなど)のログイン情報
- サブスク・オンラインサービスの契約情報
- クラウドデータの保管場所とパスワード
メッセージ
- 家族や友人に感謝の気持ちや伝えたいこと
- ペットの世話や家のことに関する希望
- 忘れずに守ってほしい願いこと(相続や遺品の処分など)
エンディングノートは資産やパスワードなど、重要な情報が載っています。
慎重に保管しなければいけませんが、いざという時に見つけられなければ意味がありません。
信頼できる相手に、保管場所を伝えておきましょう!
【重要】エンディングノートの選び方と向き合い方
エンディングノートを選ぶ際は、あなたのニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
以下のポイントを参考にしながら、自分にぴったりのノートを見つけましょう。
エンディングノートの選び方

書店で実際に見比べる
実際に手に取ってみて、内容やサイズ感を確認しましょう。
ノートの厚さや文字の大きさなど、違いもよく分かります。

基本的に、どれを選んでも問題はありませんが、「使いやすそう」という直感も大切です。
内容が自分に合っているか
必要な情報だけを記入したい方は、シンプルな構成のエンディングノートを選びましょう。
子ども時代からの思い出まで書きたい方は、振り返りのパートが多いものを選ぶと◎。
見た目やデザイン
自分が長く使うものなので、見た目のデザインも大切です。好みのカラーやデザインを選ぶと、モチベーションが上がります。
価格帯を考慮
価格が高いものが必ずしも良いわけではありません。自分の予算に合ったものを選びましょう。

手作りノートでも大丈夫です。また、無料でダウンロードできるものもあります。
エンディングノートの向き合い方

何度でも書き直せる
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。生涯にわたって自分の状況に合わせて書き直すことができるので、最初は気楽にスタートしましょう。
完璧を目指さない
完璧に書こうとするとプレッシャーに感じるかもしれません。まずは気軽に一歩を踏み出して、少しずつ進めていくことが大切です。
定期的に見直す
自分の状況や考えが変わった場合、定期的にエンディングノートを見直すことが重要です。つい、忘れてしまいがちなので、誕生日に見直しをするなど、習慣化してしまいましょう。
負担を感じたら無理しない
もし書くことが負担に感じるなら、今は書く時期ではないということ。
無理に進める必要はありません。
まとめ|40代からの終活は、人生を豊かにする
この記事では40代から終活を始める理由と、具体的にやるべきことを解説してきました。
40代からの終活は、決して早すぎることはありません。
むしろ、体力・気力・判断力が充実している今こそが、終活を始めるベストタイミングです。
40代の終活でやるべきことは、次の3つです。
- エンディングノートを書く
- 資産の把握と整理
- 身辺整理・断捨離
どれだけ準備をしても、人生には予測できない出来事があります。
誰かに迷惑をかけてしまうことがあるかもしれませんが、それは仕方のないことだと考え、あまり気にしすぎないようにしましょう。
お互い様の精神で、完璧を目指すのではなく、気楽に進めることが大切です。
まずは、エンディングノートに1行書いてみることから始めてみませんか?